不正より 遵守楽にす 監査かな

内部監査のプロのテクニック 2

 業務のプロは、内部監査のプロとは違います。内部監査のプロは業務を裏から見るのです。その地味なテクニックの2回目。

好業績は要検証

 内部監査では、社内ルールの遵守状況も検証していきます。営業場面でのルール遵守状況を検証する時に、プロの監査員は売上が高い営業員、実績が伸びている営業員といった好業績の営業員を選びます。往々にして、そのような営業員にはルールを守ってないこともよくあるためです。

 売上の際、顧客宅に訪問して説明し記録することが社内ルールに定められている時、内部監査では記録の記載状況を検証します。好業績の営業員の場合、一般的には記録は社内ルールの遵守状況もよくつくられています。表面的な内部監査では、好業績でさらにルールを守って優秀で終わるのですが、プロの内部監査は違います。

 

プロの検証は庶務事項とともに

 着目点は、訪問日時と訪問場所。日時と場所を把握して、ほんとに行けるのかを検証していくのです。電車で訪問している場合、ネットの路線サービス等を使って時間と金額を調査し行くことが可能かを調査し、経費の精算記録等とも照合を行います。車で訪問しているなら、同様に行くことが可能かを調査し、車の運転記録との整合性も照合をおこないます。

 調査をおこなってると、顧客宅への訪問記録はあるのに車は運転されていないようなこともみつかります。ヒアリングをすると、訪問は別の日におこなっていたとのこと。締め日に営業所の為、翌月のノルマの為にプールしていたを計上するという不正をはたらいたとのこと。

 

二つの記録の辻褄あわせよりルール遵守が楽

 ひとつの記録のみを検証する表面的な内部監査では不正の検知は困難です。しかし、2つ以上の記録を検証するプロの内部監査では不正の端緒をつかむことができます。そして、不正発覚事例を社内に周知すると、営業員にとって不正をはたらく難易度が格段にあがります。2つ以上の記録に整合性をとらせることは困難だからです。

 プロの内部監査が浸透していくと、営業員にルール遵守が徐々に浸透しガバナンス向上につながるのです。

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