印鑑の 向きににじむは ガバナンス

内部監査のプロのテクニック 1

 業務のプロは、内部監査のプロとは違います。内部監査のプロは業務を裏から見るのです。その地味なテクニックを紹介していきます。

 

 毎日のルーティンで担当者が実施し別の人が確認し、確認の証として検印を押印する事務について検証には、検印が押された管理表を確認します。検印がすべてなされているとJ-SOXの内部統制では統制の有効性が検証されるのですが、内部監査の着眼点は少し異なります。

 

 それは、検印の印鑑の傾き、かすれ度合い等です。検印の傾きが複数の日で同じなら、確認事務をおこなわず、まとめて押印し証跡を整えたと考えられます。

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 監査では、事実をとらえ、担当者と原因をみつけ、改善につなげます。印鑑の傾きが同じだけなら、検印者が確認事務を省略し検印だけまとめて押したことを証明することは困難です。検印者が几帳面で同じ方向に押したといいのがれができてしまうのです。

 

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 そこで、あわせて検証するのが出勤簿、検印者が休暇日に着目します。すると、休暇の日にも検印がなされていることがよくあります。こうなると、はっきりと形式的な検印を行っている不備事象が確定できます。そして、その不備事象を切り口に内部統制の状況について一歩踏み込んだ議論ができるようになるのです。

 

内部監査は外部にまかせなさい - rerere_oyajiのブログ

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