深度ある 内部監査は 対査から
内部監査のプロのテクニック 3
内部監査のプロの検証は、表面的でなく深度あるものになります。その地味なテクニックの3回目。
個人情報の社外持出状況の内部監査
社内ルールに、個人情報を社外に持ち出す際には社外持出承認簿にて事前に承認をえると定められている場合、その運用状況を検証する内部監査項目は「個人情報の社外持出管理は適正か」となります。内部監査では、社外持出承認簿について検証をおこないます。
一般的には、承認簿の承認印が押印されているか、押印者は承認権限者であるか、持出をおこなう本人が承認をおこなっていないか等を検証し、運用状況について評価をおこないます。そこで発生する指摘事項は承認印漏れがあるといったものになります。その事象の発生原因をヒアリングしていきますが、大抵の場合ケアレスミスであるとの結論になっていきます。
プロの検証はシナリオとともに
内部監査のプロは、社外持出承認簿の検証の他、事前準備にて社内ルールを読み込み、個人情報が記載された書類を把握します。そして、商品Bの売上をおこなう為には個人情報が入った書類Bの社外持出が必要であることを特定します。個人情報の社外持出のシナリオをたてて検証をおこなうのです。
この場合、商品Bの売上記録と社外持出管理簿の対査をおこなうことで、商品Bの売上はあるが書類Bの社外持出管理簿の承認がない事象がみつかるのです。この指摘事項でも同様に事象の発生原因をヒアリングしていきますが、単純なミスではなく個人情報管理の軽視といった構造的な問題が見つかることもあるのです。
表面的な内部監査と深度ある内部監査
同じ監査事項を検証するのでも、内部監査のプロが実施するとより表面的ではなく深度あるものになります。その結果、深い問題点がみつかり抜本的な改善につながっていくことがよくあります。
深度ある内部監査は、ガバナンスの向上につながっていくのです。
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不正より 遵守楽にす 監査かな
内部監査のプロのテクニック 2
業務のプロは、内部監査のプロとは違います。内部監査のプロは業務を裏から見るのです。その地味なテクニックの2回目。
好業績は要検証
内部監査では、社内ルールの遵守状況も検証していきます。営業場面でのルール遵守状況を検証する時に、プロの監査員は売上が高い営業員、実績が伸びている営業員といった好業績の営業員を選びます。往々にして、そのような営業員にはルールを守ってないこともよくあるためです。
売上の際、顧客宅に訪問して説明し記録することが社内ルールに定められている時、内部監査では記録の記載状況を検証します。好業績の営業員の場合、一般的には記録は社内ルールの遵守状況もよくつくられています。表面的な内部監査では、好業績でさらにルールを守って優秀で終わるのですが、プロの内部監査は違います。
プロの検証は庶務事項とともに
着目点は、訪問日時と訪問場所。日時と場所を把握して、ほんとに行けるのかを検証していくのです。電車で訪問している場合、ネットの路線サービス等を使って時間と金額を調査し行くことが可能かを調査し、経費の精算記録等とも照合を行います。車で訪問しているなら、同様に行くことが可能かを調査し、車の運転記録との整合性も照合をおこないます。
調査をおこなってると、顧客宅への訪問記録はあるのに車は運転されていないようなこともみつかります。ヒアリングをすると、訪問は別の日におこなっていたとのこと。締め日に営業所の為、翌月のノルマの為にプールしていたを計上するという不正をはたらいたとのこと。
二つの記録の辻褄あわせよりルール遵守が楽
ひとつの記録のみを検証する表面的な内部監査では不正の検知は困難です。しかし、2つ以上の記録を検証するプロの内部監査では不正の端緒をつかむことができます。そして、不正発覚事例を社内に周知すると、営業員にとって不正をはたらく難易度が格段にあがります。2つ以上の記録に整合性をとらせることは困難だからです。
プロの内部監査が浸透していくと、営業員にルール遵守が徐々に浸透しガバナンス向上につながるのです。
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印鑑の 向きににじむは ガバナンス
内部監査のプロのテクニック 1
業務のプロは、内部監査のプロとは違います。内部監査のプロは業務を裏から見るのです。その地味なテクニックを紹介していきます。
毎日のルーティンで担当者が実施し別の人が確認し、確認の証として検印を押印する事務について検証には、検印が押された管理表を確認します。検印がすべてなされているとJ-SOXの内部統制では統制の有効性が検証されるのですが、内部監査の着眼点は少し異なります。
それは、検印の印鑑の傾き、かすれ度合い等です。検印の傾きが複数の日で同じなら、確認事務をおこなわず、まとめて押印し証跡を整えたと考えられます。
監査では、事実をとらえ、担当者と原因をみつけ、改善につなげます。印鑑の傾きが同じだけなら、検印者が確認事務を省略し検印だけまとめて押したことを証明することは困難です。検印者が几帳面で同じ方向に押したといいのがれができてしまうのです。
そこで、あわせて検証するのが出勤簿、検印者が休暇日に着目します。すると、休暇の日にも検印がなされていることがよくあります。こうなると、はっきりと形式的な検印を行っている不備事象が確定できます。そして、その不備事象を切り口に内部統制の状況について一歩踏み込んだ議論ができるようになるのです。
内部監査は外部にまかせなさい - rerere_oyajiのブログ
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内部監査はプロにまかせなさい
内部監査は、その名のとおり内部の人員がやるのが一般的。それを、あえて外部のプロにまかせるとメリットがいろいろあるのです。そのメリットと監査のプロのテクニックについて紹介していきたいと思います。
内部監査とは
内部監査とはどのようなことをするのでしょうか。企業において、監査には大きくわけて監査役監査、会計監査、内部監査の3種類あって、それぞれ役割が違います。
会計監査 -会計監査法人等が、財務諸表と内部統制状況を検証
内部監査 -従業員等が、現場でのルール遵守状況等を検証
内部監査は最も現場に密着しているものなのです。
私自身、金融機関の内部監査部門に8年在籍し、監査部門長も経験しました。最も現場に密着している内部監査を他社のプロとともに実施してみて、メリットを実感しました。
内部監査を外部のプロにまかせるメリット
まずあげられるのは、ベテラン従業員を監査でなく本業に従事させることができることです。内部監査をやるには熟練が必要です。内部でおこなう場合は、本業のベテランをあてるのが一般的です。外部に任せると、ベテラン従業員を本業にまわすことができるのです。外部は、監査のプロ、その会社のベテランではないけど、監査に熟練しているので監査が成立するのです。
それと、内部監査を内部でやると、監査がチェックにとどまってしまうことがよくあります。「監査がチェックしているから大丈夫」「ここのチェックは監査に任せよう」など社内で聴くことがあれば要注意です。監査は、業務から離れたところで評価を行うもの、業務チェックが役割だと、本業のPDCAサイクルにとりこまれているのです。PDCAのCを担うのではなく、PDCA全てを評価する監査本来の目的。それが外部にまかせると実現しやすいのです。
監査は、事実をもとに評価し改善に向かわせるのが目的、事実を確実にとらえるのが重要です。着眼点が曖昧だと事実がとらえられないのです。外部の監査のプロは、内部要因とは違う着眼点をもっています。
その着眼点と、外部のプロによる内部監査の作り方について、紹介していきます。
内容
Ⅰ 内部監査のつくり方
~無いのなら 作ってしまえ マニュアルを
~マニュアルの つくり方かえ 統制へ
~それぞれに PDCA まわしけり
4 不備採点表の作成
~不備コード 分類すると 数値化へ
Ⅱ 監査員の着眼点 -地味なテクニック
~印鑑の 向きににじむは ガバナンス
~不正より 遵守楽にす 監査かな
3 深度ある検証方法
~深度ある 内部監査は 対査から
~営業所 くまなく探す 監査かな
Ⅲ 監査のまとめ方
1 不備の原因分析
~なぜおきた 解るとこまで 分析を
2 ヒアリング方法
~ヒアリング 順をおさえて 深みます
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